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人のお世話が好きだったから

????????伴 千景
子どものころから人のお世話をするのが好きで、小学校のころは自分のことを差し置いて友だちの世話ばかり焼いているので「自分のことも頑張りましょう」とよく言われたものです(笑)。学校では保健委員に興味があって、自然な流れで気が付けば将来の職業を看護師に決めていました。 資格を得てからは小規模の民間病院に就職し、10年の経験を積んだのち、環境を変えてみたいと思って当院に転職をしました。当院を転職先に決めたのは、中規模の公的病院で、家庭的な雰囲気があることと、看護部長とお話をして「ここならやっていけそうだ」と思ったのが理由です。 今は手術室で勤務していますが、はじめ配属されたときはわからないことの連続でした。教えてもらいながら経験を積んで、徐々に自信も出てきましたが、いつも気をつけているのは「緊張感を持つ」ということ。大きな手術やリスクの高い患者さんの場合は自然に緊張感が生まれますが、たとえ小さな手術でも気の緩みはミスへとつながるので気を引き締めるよう自分に言い聞かせるようにしています。

手術後の達成感が仕事の醍醐味

手術はチームで行うので、みんなで気持ちをひとつにして手術に挑み、終了した時には達成感を味わいます。特に長時間の手術の場合は、体力的にも精神的にも疲れるのですが、みんなが心をひとつにしてその疲労に耐え、終了したときに「終わった!」と思う達成感は手術室勤務の醍醐味だと感じています。 最近はそうでもないのですが、以前は交通事故の患者さんが運ばれてくることが多く、夜間事故が相次ぎ手術に追われることもよくありました。みんなヘトヘトになるまで動き回って、朝が来たら椅子に倒れこんでうたた寝をするスタッフも・・・。不思議とその疲労感が「みんなで乗り切った」という充実感でもあり、いい思い出になっています。 手術室の看護師は患者さんと密に接する時間が短いのですが、最も不安の大きな時間をお世話するという場所でもあります。だから気をつけているのは患者さんに応じて不安を和らげられる援助をするということ。特に意識下で行う手術では、患者さんの表情をしっかり観察し、声かけを行いながら手を握ったり肩をさすったりして安心感を与えるようにします。ただ、あまりベタベタしてほしくないというタイプの方もいらっしゃるので、術前訪問では個性も把握して術中の対応を変えるようにしています。

細部にまで心配りができるようになりたい

story001-02[1]私は外来で勤務もしているのですが、外来で気をつけているのは直接患者さんとかかわるということ。高齢者が多いこともありますが、診察室に呼ぶときもインターフォンを使うのではなく直接迎えに行くように心がけています。そうすることでその方が困っていることも把握できるので、それを医師に伝えるサポートも可能になってきます。外来の看護師は医師と患者さんの仲介役だから、ニーズの把握が何より必要なことだと思っています。 看護師になってずいぶんの時間が過ぎたのですが、この仕事を選んで良かったと思うのは、自分のかかわりで元気を出してくれたり喜んでくれたりして、それを見た自分自身がよろこびを感じられる仕事だというところ。相手のよろこびを自分のことのように感じることが看護のやりがいだと思います。 また、当院のいいところは家庭的な雰囲気でスタッフが優しいことでしょうか。土地柄もあるのでしょうが、温かく安心できる病院だと思っています。そんな病院で働く職員だと思って自分自身を振り返ったとき、細部にまで心配りをしたサービスができているとはいい難い気がします。もっと心を込めて相手を想い、かゆいところに手が届く、そんな看護師になることが私のこれからの目標です。