自発的に自分たちにできることを探し、お互いを支える職場になってきたのが嬉しい
この1年で職場に大きな変化が出てきたと思います。それはスタッフが自発的に仕事を進めるようになり、とても楽しそうに仕事をするようになったことです。その転機は退院支援だと思います。当初はスタッフも退院支援のこと、ケアマネージャーさんとの連携などわからないことが多く、こちらでいろいろと段取りをしたりしていました。しかし、地域連携室と協力をして、実際に病棟の外に出て、患者さんのところに訪問し、生活を見るようになってから患者さんとの関わり方が変わって来ました。患者さんの生活を見ることにより、退院支援や指導がより具体的にイメージできるようになり、現実的な支援や指導ができるようになったからだと思います。もちろん、道筋を示すことから始めましたが、実際にやってみることで得るものが多かったのでしょう。今では自分の経験をもっと活かせないか、できることはもっとあるんじゃないかとスタッフ同士が支え合うようになりました。
考えを自由に発言できる職場風土で、個別性に応じた退院支援をしていきたい
私たちの部署は、いわゆる一般の病院で言う「地域連携室」が担う仕事である、地域の病院、クリニック、介護事業所との連携を図ることだけではなく、地域の医療職と多職種との連携を図る役割も担っています。現在は、看護師、保健師、ソーシャルワーカー、事務のメンバーで活動しています。私たちの部署で大切にしていることは、誰もが自分の考えたことを発言したり、意見交換したり、わからないことを気軽に相談できるような自由な職場風土にすることです。退院支援をする上で、患者さんが抱える個別の問題は複合的な問題であるケースが多く、スタッフ同士が情報の共有はもとより、考えの溝がないようにしていく必要があります。そのため、発言の安全性というのは特に大切になってくるかと思っています。今後は、地域の医療者や介護者との交流を大切にして、地域がどんなことを困っているのかを積極的に理解して、地域の医療センターとしての在り方を踏まえて、私たちの役割を果たしていきたいと考えています。
一人ひとりの成長を支援して、地域との連携を大切にした急性期看護を充実させたい
私は、急性期病棟を担当しています。これまで、訪問看護ステーションや地域連携室に所属していたので、在宅看護の視点で急性期病棟との連携を考えていました。急性期病棟は救急医療が要であり、在宅から入院という流れは、患者・家族にとって、通常の生活の場からイレギュラーを感じる生活の場への移動であるので、そんな中で看護ケアを充実させるために、連携がいかに大切かということを意識して仕事に向き合っています。大きな変化として、カンファレンスの内容があります。例えば、これまでは病状が主流でしたが、最近では、それに加えて、患者さんの価値観や生活背景を考えて看護ケアを話し合うことが主流になって来ました。看護ケアを充実するために、一人ひとりの成長は欠かせません。スタッフがどんな看護がしたいのか、今後どうなりたいのかなど目標と課題、困っていること、悩んでいることを聞き、年に数回、面談を通じて成長ステージを一緒に考えるようにしています。私たちの部署は、勤務交代などのイレギュラーに対しても、それぞれのスタッフが自発的に協力し合う風土があるので、私はとても助けられています。大きな病院にはできない、私たちならではの持ち味を発揮していきたいと思います。
「医療センターの訪問看護に任せたい」と信頼と親しみを感じてもらえるステーションを目指したい
私の担当は訪問看護ステーションです。管理者として仕事をするのは初めてですし、経験のない訪問看護の仕事なので、まずは訪問看護の仕事を理解することから始めました。訪問看護は利用者さんの自宅、つまり生活の場にお伺いします。その際に、入院時に退院指導したことが指導通りになされていないことにも何度か遭遇しました。家族やケアマネジャーから生活状況をヒアリングしたうえで退院指導しますが、病棟の看護師も限られた情報の中で退院指導をするので限界があることが良くわかりました。生活状況に合わせた看護を実践するという意味では訪問看護の存在価値は大きいですし、訪問看護師と病棟看護師との情報共有が患者さん・利用者さんの生活を向上させるものだと思います。同じ病院の中に訪問看護ステーションがあるメリットを最大限に活かして「医療センターの訪問看護に任せたい」と信頼と親しみを感じてもらえるステーションを目指したいと思います。当ステーションのスタッフは、利用者さんを尊重し、家族にも優しく、介護状況を理解したうえでサービス提供をしているので、私自身もそういう思いにリスペクトしながら、管理者として貢献していきたいと思います。
常に患者さん目線で考え、意思を尊重し、心地よい入院生活を送ってもらいたい
私は地域包括ケア病棟を担当しています。患者さんは退院後、自宅に戻られる、あるいは施設に移られるので、患者さんの望みを前提にしたサービスの調整をする際に、ご家族は当然のこと、当院の地域連携室、ケアマネジャーさんや施設の職員の方たちとの連携が大切になってきます。私が、管理者として大切にしていきたいのは、スタッフの想いを尊重することで、前任の師長が培ってきた土台を引き継いで、さらに良くなるように繋いでいくことです。私たちの部署のスタッフは、常に患者さん目線で考え、意思を尊重し、心地よい入院生活を送ってもらいたいという気持ちで日々の看護をしています。自宅に戻ると、家族の支援が必要となり、例えば、高齢のご夫婦の場合、どちらかが介護をしなければならないというケースが多々あるので、介護をする家族の想いも理解して、退院支援や指導に取り組むようにしています。幸いにして、ベテランのスタッフが多い職場なので、患者さんにとっては心強いと思います。今後は、事例検討などを通じて、ケアの水準を向上させられるように、スタッフ全員で取り組んでいきたいと思います。
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