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「大変だけど人に喜ばれる仕事よ」と小学生のとき看護師の母に言われ、その気になった私

 看護師だった母。夜勤などあって忙しい仕事だと知っていたけど、いつもいきいきとしていました。小さいころに母の職場にも連れて行ってもらったこともあります。「たいへんだけど人にありがとうって感謝してもらえる仕事よ」と言って笑う母がとても頼もしく魅力的に見えました。だから私が小学校の卒業式のときに「将来の夢は看護師さんになることです」と発表するほど私の気持ちは決まっていました。
 高校の進路相談のときも迷わず看護専門学校への進学を決めていました。そのころ父が新聞でこの亀山市立医療センターの記事を見て奨学金をもらいながら学校へ通うことができることを知ったのです。そこで奨学生となり学校に通い新卒でこちらの病院に就職しました。


「こんな先輩になりたい」。新人のときに指導いただいた先輩の姿のような存在になりたい

就職して8年目。ずっと同じ西病棟にいます。この病院は先輩方がみんな優しく親切で居心地がいいです。とは言っても新人時代は苦労しました。学生時代の実習では一人の患者さんだけを担当するだけでしたが、実際は10人以上の患者さんを担当しないといけません。こちらの患者さん処置をしているとあちらの患者さんから声がかかります。いつも業務に追いかけられている感じでした。私の指導担当の先輩は10年目くらいで仕事のできる方でした。先輩を見ていると日ごろから患者さんのことをよく観察されていて、それぞれの性格まで把握されていました。自分もそれを意識してみるとだんだんそれぞれの患者さんが何を求めているのかわかるようになってきたのです。あるとき患者さんのご家族がお見舞いに来る前に先輩から「せっかくだから髭をそっておきましょう」と言われ実施しました。するとご家族が「こんなにきれいに髭までそってもらって」と喜んでいただきました。それがまた患者さんにも伝わりました。「あぁ看護って病状を見るだけでなく患者さんの身の回りやご家族のことも考えることなんだ」ってわかりました。そして「私もこんなふうに教えられる先輩になりたい」という思いで仕事を覚えました。4年目になるころから私も新人の教育を任されるようになりました。それほど年齢が違わないはずなのにジェネレーションキャップを感じることもありますから(笑)教育の難しさを感じます。私の教え方で新人さんの看護師人生が左右されるかもしれないと思うので、今でも毎年気が引き締まります。


ご自宅の状況などを把握して、地域連携室と協働し、患者さんには上手く地域に戻って頂きたい

地域密着の病院ですので、繰り返して入院されて来られることもめずらしくありません。ですから患者さんはもちろん、そのご家族や退院後にお世話になる施設の方々との信頼関係を築くことも大切にしています。たとえば退院後にご自宅に戻られる患者さんのご家族には退院前から患者さんの様子をお知らせするようにします。ご家族は入院前の状態になって退院してくることを期待されますが、必ずしもそうとは限りません。現状を正直にお伝えすることでそのギャップを生まないようにすることも退院後の生活には大切です。また再入院を繰り返される患者さんには、その原因を明らかにして入院中に予防策を立てて退院できるようにしていただきます。ときには厳しいことを言わねばならないこともありますが、それによってご家族からも家での患者さんの様子をお聞かせいただくこともあります。そうやって信頼関係ができることも多いです。今はリーダーとして患者さんが無事に退院できるように退院調整を任されています。ご自宅の状況や転院される施設の特徴などを把握して、地域連携室と協働しながら患者さんが上手く地域に戻れるようにしていきたいと思っています。

患者さんの「ありがとう」「また来てね!」の言葉に励まされて

kameyama-160601看護師をずっと続けている母の影響を受け、幼い頃から看護師の仕事に興味を持っていました。看護師は人の命をあずかる仕事なので大変だろうな、と子供心に感じていましたが、「自分が関わることで患者さんが元気になっていく姿を見られた時、すごくうれしいし、やりがいを感じられるよ。」という母の言葉に胸を打たれて、自分も同じ道に進もうと思いました。

私はもともと三重県出身で、当院からの修学資金制度を利用しながら県内の看護学校を卒業しました。卒業後、他府県に就職する同級生もいましたが、大好きな地元で頑張りたいという気持ちと、総合的に学べる環境で働きたいという思いから、この病院に就職しました。今年入職したのは新人の私と既卒者である同期の2名だけですが、アットホームな雰囲気でとても話しやすい先輩ばかりなので、毎日とても楽しいです。仕事中、いつも先輩の方から「大丈夫?何か困っていることはない?」と声を掛けてもらえるので、分からないことがあってもすぐに解決できます。
コミュニケーション研修で学んだことを、自分の看護に活かしたい
私が勤務している西病棟は急性期病棟で、様々な診療科の患者さんが入院しています。今はまだ入職したばかりなので、一日に受け持つ患者さんは1部屋(6人)だけで、それぞれの患者さんのプライマリーナースの指導を受けながら、日々の看護に取り組んでいます。

患者さんと接する中で特に感じているのは、〝信頼関係の大切さ〟です。先日新人教育研修の一環として、三重県看護協会主催の外部研修に参加させていただきましたが、自分の話し方や表現の仕方によって、思わぬところで患者さんにプレッシャーを与えたり、自尊心を傷つけたりする可能性があるという点に改めて気付かされました。疾患や障害の程度はもちろん、患者さんの性別や年齢層によっても、感じ方や受け止め方は様々です。日頃の何気ない会話はもちろん、個別の指導をする場面でも、常に自分の言葉の選び方や表情などにも注意しようと思います。

認知症の方ともしっかりと信頼関係を築けるように

今は日々の業務を覚えるだけで精一杯ですが、そんな中でも業務中心ではなく、患者さんの心やこれまでの人生にも目を向けるようにしています。今後ますます高齢化が進むため、高齢者や認知症の方の支援の方法やコミュニケーションの取り方について勉強したいです。看護学生時代、認知症の患者さんを受け持った時、どう関わっていいのかとても悩んだ経験があります。認知症の方の行動や言動には必ず理由があると思うので、表面的なことだけで判断するのではなく、心理的・社会的背景からその人の全体像をとらえられるようになりたいです。

とはいえ、入職したばかりで、様々な処置や急変時の対応、夜勤での動き方など、看護師として一人前になるために、まずは習得すべきことがたくさんあります。師長さんや先輩方みたいに、常に全体を見渡せる看護師になれるよう、精一杯頑張ります!