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ケガで野球の道を閉ざされた喪失感の中進んだ看護の道、大きな達成感を得た急性期看護

私は小学校入学前から野球を始め、高校時代は強豪校で野球をしており、将来は野球を通じて進学・就職を考えていました。しかし、ケガによりその道を断念せざるを得なくなりました。喪失感の中、看護師をしていた父親の勧めで看護師になりました。しかし、なりたいと思ってなった職業ではないので、何回も辞めようと思いました。最初にスポーツ整形を兼ねる総合病院の整形外科病棟で働きました。自分自身の知識も技術も限られているので、毎日が精一杯で、「自分は役に立っているのか」と思いながら働いていました。また、自分が看護職に抱いていたイメージとのギャップを、なかなか埋めることができずに毎日を過ごす中で、急性期看護に興味を持つようになり転職しました。急性期看護は、急を要する仕事なので、例えば、急変に対応できた時などは大きな達成感が得られました。当時の私にとって「自分が役に立っている」という実感に繋がり、それから看護師の仕事にやりがいを見出せるようになりました。


退院後の患者さんの生活を考え、看護師として何をすべきかを総合的に判断できる看護師になりたい

私が看護をする上で大切にしていることは、患者さんが安心・安全に入院生活が送れるようにすることです。患者主体は当然なんですが、ややもすれば医療者の医療的観点が主体になってしまう可能性もあります。それは、もちろん、患者さんの治療を優先しているからなのですが、例えば、「治療はいいから家に帰りたい」という患者さんも少なくありません。私たち看護師は、患者さんと過ごす時間が医師よりも長いので、患者さんの本音、もっと言えば弱音を知る機会があります。そういう患者さんの想いを医師に伝え、適切な医療サポートを行うのが役割だと認識しています。今、私は退院調整に強い関心があります。それは、入院してきた段階で患者さんの生活環境をアセスメントして、退院後の生活の選択肢を考える仕事だと捉えているからです。患者さんの想い、ご家族の想いを考えながら、地域にある社会資源の活用も踏まえて、より良い方向に導ける看護師でありたいと思っています。


チャレンジしたいこと、災害時に役に立ちたい、そして、若いスタッフの育成に関わりたい

チャレンジしてみたいことは、二つあります。一つ目は、自然災害が昨今増えているのを見て、災害が起きた場所で自分を役立ててみたいというのがあります。もう一つのチャレンジは、若いスタッフの育成です。最近は、厳しく指導するのはよくないという時代ですが、私は野球をしていた時も、看護師になってからも厳しい指導を受けて来ました。とりわけ、私たちの仕事は、命に関わる仕事です。厳しく指導しないことよりも、ケースバイケースで厳しく指導する。しかし、フォローをしっかりして、若いスタッフと向き合うことが大切だと考えています。例えば心停止の場面に直面した際に、みんな必死なので、口調が厳しくなることがあります。しかし、その後厳しい言葉を掛けられた若いスタッフには、フィードバックをし、何が良かったのか、何がよくなかったのか、その内容を話し合って、しっかりと共有することが大切だと考えています。若いスタッフに自分がこれまで経験してきたことを伝え、指導するうえで、『看護のやりがい』を見出していってくれたら嬉しいことだと思っています。