タグ別アーカイブ: 川口愛美

先輩たちの温かく丁寧な指導に支えられ、患者さんの「あんたで良かったわ」を喜んだ新人時代

私は、母親が看護師であることがこの道に進んだことに少なからず影響していると思います。人の役に立つ仕事に就きたいという気持ちがあり、そういう捉え方で看護師という職業を見ていたように思います。看護師になった当初は、やるべき業務を覚えるのに必死で、看護をしているという実感がないままに日々が過ぎていきました。学生時代、実習先に厳しくて、私にとっては怖い看護師がたくさんいたので、入職したての私は相談一つ持ちかけることにもビクビクしていました。ところが、そんな杞憂は一瞬にして吹き飛ばされました。仕事を必死で覚えようとしている私に、優しく温かい言葉を掛けてくれる、丁寧に教えてくれる先輩がたくさんおり、職場もアットホームで、スタッフ同士の距離が近いので、良い環境で新人時代を過ごせました。病気になって患者・家族が辛い姿を見る仕事ですが、リハビリをし、回復し、退院される患者・家族の方から「ありがとう、あんたに看てもらえて良かったわ」と言って頂けた時は、「私も役に立てたのかも・・・」と思い、先輩たちの支援に感謝しながら、嬉しくなったことが思い出されます。


役割の大きさを実感しながら、患者さんの快方に向かうプロセスを共にできるのが看護の魅力

看護をする上で大切にしていることは、やはり患者さんに寄り添うということです。弱音を言いやすい、本音を言っても良い、想いを聴いてもらいたい・・・そんな風に思ってもらえる存在になりたいと思っています。そのために、ちょっとした機会も含めて、頻繁に声を掛けるようにします。話し掛けてほしくない時もあるので、それは察しながら、会話のたびに患者さんとの距離を近づけるように心掛けています。回診時に、医師に本音を言うのを躊躇される患者さんをよく見るので、患者さんが言えないことを医師に告げるようにしています。実際に、それで事無きを得る機会を何度も経験しています。そういう機会に看護師の役割の大きさを改めて実感することも多くあります。この仕事は、病気で辛い想いをされている方の快方に向かうプロセスを共にすることができることが魅力だと思います。患者さんが良くなっていくと自分のことのようにうれしくなりますし、もっと頑張ろうという気持ちになれる仕事だと思います。また、個人的にもライフイベントによって働き方を柔軟に変えることができるのも魅力だと思います。


「新人を早く一人前にしたい」を目標に、新人看護師教育を通じて、私も一緒に成長していきたい

昨年より新人教育に関わっています。「教える」というのがいかに大変かということを、新人教育を通じて感じました。もっと上手に教える指導者になりたいと思うのですが、看護師5年目と言っても、自信を持っているとは言えない状態なのでジレンマはぬぐえません。ただ、今後は「新人看護師を早く一人前にしたい」ということにチャレンジしていきたいと思っています。教える立場になると、私自身の知識や技術不足も露呈し、人一倍勉強する機会を得ます。また、教え方を向上させなければなりません。私は、これまで以上に、教え方の上手な先輩たちの真似をすることから始めています。そして、何よりも、新人看護師が私に対して信頼してくれない限り教育は成り立ちません。私は、まず一人ひとりに個性を理解することから始めるようにしています。職場にすぐ馴染む人もいれば馴染めない人もいます。覚えるのが速い人、遅い人。よく話す人、人見知りの人・・・様々です。私が新人の頃のプリセプターのように、近い距離で関わり、一緒に勉強し、一緒に成長する関係性をつくりたいと思っています。