患者さんの想いにしっかり耳を傾けたいのに、描いている看護とは程遠かった新人時代


私は、工業系の高校に通っていましたが、将来を考えるとIT分野に進むイメージがしっくり来ませんでした。様々な仕事を検討する中で、入院していた親戚が看護師さんにお世話になっている姿を見て、看護師になれば一人暮らしの祖母の力にもなれると思い、この道に進む決心をしました。新人の頃は、学生時代から言われていた通り、なかなか患者さんと関わる時間を作ることができませんでした。仕事をこなすのが精一杯で、患者さんの想いにしっかりと耳を傾けたい気持ちがあるのに、自分が描いている看護とは程遠い毎日を過ごしていました。ただ、それでも、患者さんが元気な姿で退院されたり、面会に来られたご家族が「良くなってきたんです!」と嬉しそうに話されている様子を見ると、微力ながら自分も関わることができた喜びを感じると同時に、もっと患者さんやご家族に役立てるような仕事をしようと思えました。新人が入ってくる頃には、患者さんと向き合う時間が増え、看護の楽しみも徐々に感じることができるようになってきました。


患者さんと一番長く関わり、一緒に目標に向かっている実感が得られることが看護師の魅力

看護師になり5年目ですが、常々、意識していることは患者さんの不安をいかに少なくするかということです。特に、初めて入院される方、手術をされる方にとってすべてが未知のことであり、不安や心配は私たちが思う以上に大きいように感じています。不安を少なくするために、できるだけ患者さんのもとに行き、声を掛けて、雑談をするようにしています。大切なことは、話しても信頼のおける人間だと思ってもらうこと、そして、本音を聞き出せるように心掛けています。こうして良い関係を作っていくことで感じるのは、看護師の仕事は患者さんと一番長く関わることができる仕事だということです。診察を待っている時間、生活をしている時間を共にすることで、患者さんの変化に気づくことができます。多職種からの情報もいち早く得ることができるので、患者さんのことを一番知っている存在でもあります。患者さんについて様々な観点が考えることができるので、一緒に目標に向かっている実感が得られることが魅力だと思います。


短い時間の関わりの中で、不安を拭えるアプローチを身に着け、早く先輩たちに追いつきたい

4月に部署移動があり、現在は手術室で働いています。病棟と手術室の看護は同じ看護であり、全く異なる看護だと感じています。違いを簡単に言うと、病棟では患者さんとずっと一緒にいることができますが、手術室では手術前、手術中、手術後と短い時間での関わりとなります。手術室看護を一から学んでいる最中です。幸いにも、先輩たちが「困っていることはないか」「こういう時はこんな風にしたらええよ」と手術前に事前に的確なアドバイスをくれるので、私はとても働きやすい環境で勇気づけられています。ただ、それに甘えてばかりで行けないので、私は「先輩たちに一日も早く追いつく!」を自身のチャレンジ目標と考えています。具体的には、短い時間での患者さんとの関わりにおいて、不安を拭えるアプローチを身に着けることです。例えば、術前の麻酔についての説明で患者さんの不安を軽減できるようになること、手術室看護の知識を得てスムーズに仕事を進め体の負担も軽減できるようになりたいと思っています。