看護師を辞めたい!そんな私への上司の一言が、看護が好きになるきっかけを作ってくれた


看護師になって既に10年が過ぎました。もともとは介護福祉士になろうと思っていましたが、母親が看護師を勧めてくれたので、看護師になりました。実際に看護師になることはできましたが、新人の頃は、正直言うと仕事をするのが苦しかったですし、悲しい気持ちの毎日でした。血液内科に配属されたのですが、日々、弱っていく人を看る、そして、亡くなっていく様子を見るという状態が私には重かったのです。患者さんに点滴をしたり、体を拭いてあげたりする中で、ちょっとしたコミュニケーションを取る機会がありますが、どうしても悲観的なお話が多くなり、受け止めるのがとても苦しく、看護師としての経験もないので、何がわからないのかさえわからない毎日でした。「もう、辞めたい」と思い、上司に相談したら、「人間に死は付きもの、残りの人生にどう寄り添うのかも看護」と教えられ、考え方や気持ちが一気に切り替えられました。「あんた、ありがとう」と患者さんから声を掛けられることも素直に嬉しい気持ちになり、人の役に立つ仕事なんだと実感がわくようになっていました。その後は、一転して、この仕事が好きという気持ちで取り組んでいます。

内視鏡を受ける患者さんの不安を軽減し、少しでも楽な気持ちになって頂けるかが私の仕事

その後、ICU、外科、そして外来と様々な部署で看護を経験しました。現在は、外来勤務ですが、内視鏡の担当をしています。内視鏡を受ける患者さんは、何度も経験されていても不安な気持ちを持つ方が多いので、その不安をいかに軽減するかということに配慮するように心掛けています。検査前のコミュニケーションでは、初めての人ならどういうものかを丁寧に説明する、2回目以降の人なら前回実施したことの話をお聞きし、それぞれ不安に感じていることに対してしっかりと答え、ケアするようにしています。また、検査中は、背中をさすったり、適度な声掛けをし、気持ちが少しでも楽になるように気遣います。試行錯誤の中でやっていますが、日々嬉しいこともあります。病棟での看護では、毎日、患者さんと顔を合わせますし、短期間であれ、一緒に過ごす時間が長く、お互い気心が知れてきます。しかし、外来では、一般にそんなことはあまりないと思われがちですが、内視鏡検査で関わった患者さんは私たちのことをよく覚えて下さっています。飲み方の注意、楽になる方法など患者さんはそういうこともしっかりと覚えて下さり、私は、そんな時、もっと役に立ちたいと心が弾みます。

内視鏡に関わる仕事を極めていきたい、そして、その重要性を社会に広め、健康維持に役立てたい

試行錯誤の中でようやく内視鏡についてもわかり始めてきたので、これをしっかりと自分のものにしたいと思っています。一つひとつ、一人ひとり、しっかりと関わっていくということですね。そして、将来的には、内視鏡に関わる仕事を極めていきたいという気持ちが強いです。だから、研修会などに参加して、もつと勉強したいと思っています。健康な体を維持していくためには、やはり、健康な状態かどうかを正確に知ることが大事になってきます。そういう意味では、定期健診は大切です。体の細部に渡ってまでチェックすることを怠ったために、知らない間に病気が進行していたという話はよく聞く話です。そんなことがないように、内視鏡検査の重要性を社会に広報していくような活動にも関わり、健康維持に役立ちたいと思っています。