白衣にあこがれ看護師に


story004-01[1]副看護師長 深水ゆり
小学校低学年の頃、盲腸で入院した私は看護師さんの優しさに触れ、白衣にあこがれを抱きました。その時から「将来は看護婦さんになる」というのが私の夢になり、高校になるまでその夢が変わることはありませんでした。
とはいえ、高校時代に進路選択を決定にするには不安も大きく、看護師をしているいとこのお姉さんが勤めている病院に見学に行くことになりました。白衣を着たお姉さんは活き活きしているように見え、ますます看護師になりたいといいう気持ちが強くなって意志が固まり看護学校に進学しました。
卒後は津市内の民間病院で勤めていたのですが、結婚を機に亀山市に住むことになり、亀山市民にとって最も身近な当院に転職しようと決めました。

患者さまに親身になって関われるのが当院の魅力

当院での忘れられない患者さまの話しです。
その方は60代の男性でがんを患っておられました。当時はがんを告知するのは一般的ではなく、お子さん以外、ご本人も奥さんもがんだというのをご存じではありませんでした。
入院後、病状は日に日に悪化の一途をたどり、ターミナル期に近づいていました。このままだと家に帰れなくなるというのが医療者サイドの判断で、私たちは「退院は先だけど一時帰宅してみたら?」と勧めるのですが「もう少し楽になってから帰ります」という返答。しかしもう楽にはならないことは目に見えていたのです。
急な入院をしてそのまま病院で最期を迎えるのはご家族にとっても辛いだろうと思った私たちは、自宅で家族と過ごす時間をつくりたいと考えました。そこでリクライニング式の車いすを、楽な体位が保てるように改良し、車で自宅に一時帰宅していただくことができ、ご家族もご本人も喜んでくださいました。 それから数日後、私が夜勤の時でした。
当時は院内に有線放送が流れており、訪室するとちょうど”♪一年生になったら~♪”という歌が流れてきました。それのを聴いて「お孫さんもうすぐ一年生やね」という問いかけに「そうやな・・・」と返してくださった患者さまの一言・・それが最期の言葉になりました。私も涙が止まらずに、少しの間ケアができずにいました。
4月、いつも桜の時期を迎えるとこの患者さまのことを思い出して心が熱くなるのです。 こんな風に患者さまやご家族と親身になって関われることが当院のいいところでしょうか。時代は変化して、最近は患者さまとのかかわりも希薄になりがちですが、いつまでも当院のいいところを継続させていきたいですね。

余裕を感じさせるチームをつくりたい

story004今の私は、外来と手術室の配属で手術室副師長の役割を担っています。看護師経験は長いのですが、管理的な役割はまだ始めたばかりで、先輩を見習いながら試行錯誤の毎日です。
スタッフ全体を見渡しながら、めざしたいのは余裕を感じさせるチームをつくること。患者さまはもちろん、他職種や同僚など、気を使わずに声をかけてもらえるようなチームを作りたいと思います。
また私自身も、誰もが気軽に相談できる存在になりたいとも思います。働きやすい職場の第一歩は人間関係だと思うので、コミュニケーションを密にして、問題があれば小さな芽から摘んでいく、そんな役割が果たせたらうれしいです。
今、当院は変わろうとしています。これまで以上に職員が一つになって市民の健康を護ろうという意欲をあちこちで感じるようになりました。私もひとつの力となり、みんなで当院を盛り上げられるよう様々なことに参加していきたいと思います。