カテゴリー別アーカイブ: 看護助手

患者さんの安全を、陰ながらサポートしています!

全くの未経験から、看護助手の仕事に

sogasamaこの病院に看護助手として就職して、もう15年以上 になります。元々亀山市役所の事務職員をしていた私が、病院で働くことになるとは夢にも思いませんでしたが、市役所の仕事を退職した後、お世話になっていた上司から市民病院での看護助手の仕事を紹介されたことを機に「一度挑戦してみようかな?」と思い、応募しました。入職当初から中央材料室への配属は決まっていましたが、医療に関する知識が全くなかった私には、一体どんな仕事をするのか、イメージしにくかったことをよく覚えています。あの時、持ち前のチャレンジ精神で、未経験の分野に一歩踏み出すことに決めてよかったです。

スキルアップを目指して、滅菌技師の資格を取得

中央材料室で仕事をしているうちに、滅菌に関することだけではなく〝医療機器安全〟や〝感染〟など、様々な事柄に興味を持つようになっていきました。そんな中、日本医療機器学会が開催している勉強会に参加し、滅菌技師という資格を初めて知りました。滅菌技師には第一種と第二種があります。まず第二種の資格を取るための講座を受講し、試験を受けました。その後次のステップとして、必要な講座を受講し、認定申請することで、第一種滅菌技師の認定を受けました。資格取得という目的だけではなく、日頃仕事としてやっていることを振り返り、裏付けとなる根拠が理解できたので、勉強すること自体に大きな意味があったと思います。現在、中央材料室には私を含めて2名の看護助手が在籍しています。今でも学会主催の勉強会に参加し、最新の情報を取り入れ、スタッフ間で知識や情報を共有できるように努めています。

滅菌技師は、医療現場の〝縁の下の力持ち〟

中央材料室で働く看護助手は、直接患者さんと接する機会がほとんどありません。私たちの仕事は病棟や外来、オペ室で使用した器材を回収・洗浄するほか、各部署から請求された器材やディスポーザブル製品の払い出しが中心になるので、まさに病院という舞台を支える〝黒子的〟な役割を担っています。それでも、医療現場での患者さんの安全向上に携わっていることには変わりないので、常に仕事中には患者さんのことを思う気持ちを忘れないように心がけています。器材を取り扱う際には、「もし自分がこの器材を使われるとしたら、安心できるかな?」「滞りなく器材や物品を払い出すことで、処置や手術が安全に進行してほしいな」という思いを胸に、誇りを持って裏方業務に徹しています。また、長年同じ部署で働いて来たこともあり、オーダリング導入や院内の物流システム変更など大掛かりな業務改善にも関わることができ、とても良い経験をさせていただいたな、と感謝しています。忙しく、大変なこともありますが、出来る限り長くこの仕事を続けていくことが今後の最大の私の目標です。

人の命に向き合う日々と出会った

story006-01[1]看護助手 山下美和江
若いころ、白衣の天使に憧れて病院に就職したのですが、結婚を機に退職。農家に嫁いだ私は、専業主婦をしていました。時が過ぎ、主婦のパートをしているうちに「もう一度病院で働いてみたい」という気持ちが湧いてきました。そして、大きな不安があったものの、勇気を振り絞って病院に就職したのです。初めは新しい世界に戸惑いながらも、毎日新たな発見があり、ワクワクした気持ちで働いていたことが、今も印象に残っています。
病院に勤めて初めて患者さまの死を見た時は、大きなショックでした。また、最も驚いたのは、亡くなった患者さまを病理解剖の部屋にお連れするという体験。ほんの今まで息をしていたその方が亡くなり、すぐに解剖するという現実に戸惑い、人間の脆さを実感しました。病院に勤めたおかげで”人の命”に向き合うきっかけをいただき、命の儚さ、そして人生の尊さを学んだように思います。

熱意は伝わるものだから

この病院に来たのは、平成7年。もう随分長くお世話になっています。仕事をしていて嬉しいのは、患者さまやご家族が感謝の言葉をかけてくださる時でしょうか。些細なことでも喜んでくださったら、それに甘えず「もっといい援助をしなければいけない」と思います。
病棟には若い看護師さんが多く、みんな私の娘のような気がして、つい厳しい言葉も投げかけます。長年ここに勤めている私は、たくさんの患者さまや看護師さんとの思い出が詰まっているこの病院が大好きなんです。みんなの力で創りあげてきた病院だから、もっといい病院になってほしいと願うがあまり、いつも口うるさくなってしまいます(笑)。
看護師さんを見ていると、親身になって患者さまの事を考えて看護する姿に感動する場面に出会う傍ら、責任感に欠けるのではないか?と思う場面に出会うことも。患者さまは何も言わないけれど、看護師さんの姿勢は察知するものです。熱意は伝わるものだから、口先だけの親切ではなく心を込めてお世話してほしいと思っています。

人生に悔いを残したくない

story006私の仕事へのこだわりは「誰かが困らないようにしよう」「決められたことは必ず守ろう」と考えて行動すること。たとえば衛生材料を常に補充しておかなければ、看護師さんらが迅速なケアをすることが出来ません。そうすると医師や看護師が困るだけではなく、結果的に患者さまに迷惑をかけてしまいます。だからいい加減な仕事はしたくないと考え、日々の業務にあたっています。
今、この歳まで仕事を続けて来られたのは、この仕事が大好きで、この仕事以外に考えられないという気持ちから。この歳になると、仕事があること自体がありがたく、活きる支えになっています。
だから私は、これまでの人生に後悔はありません。この先も自分が納得できる仕事をして、人生に悔いを残さないようにしたい。そう思うと、患者さまには出来る限りのことをしてさしあげたいという気持ちになり、多くの人のお世話をさせていただけることが幸せだと感じることが出来るのです。