実体験から感染看護に興味を持った


story050410年ほど前、私は看護師を辞めていました。別に暮らす100歳の祖母を、家族が介護していた時のことです。ある時、その祖母がMRSAに感染し、家族中がパニックになりました。看護師資格を持ちながらも、その時自分は何もできずに、家族と一緒にパニックになってしまい、どうしたらいいのか不安でたまらない感覚になったのです。そのとき実感したのは、自分には感染管理に対する知識がないということでした。
それから時が過ぎ、看護師に復職しようと思った私は、どうせなら専門的な勉強をしたいと思っていたのですが、気が付けば、感染管理に興味を持つようになっていました。実体験が興味を誘ったのかもしれません。そこで、認定看護師の資格を取って、院内の感染管理に携わろうと考えました。そして今は、感染看護認定看護師として、そして副師長として病棟で勤務しています。

感染管理は職員全員の力が必要

認定看護師の役割は、実践・教育・相談という3つの柱があるのですが、院内の感染対策について、ICT(感染制御)チームの一員として、医師・薬剤師・臨床検査技師とともに活動し、看護のなかで感染防御の実践に努めながら、院内に感染を防御するための教育やスタッフの相談に応じています。
感染を防御するというのは、私一人でできることではありません。全てのスタッフ、ひとり一人の意識に働きかけて、行動を徹底しなければならないのですが、みんなが協力して実践してくれる姿を見るとうれしいと思います。
最近では、一時インフルエンザの罹患者が増えたのですが、病院全体に情報を発信し、すべてのスタッフが行動を一致させてくれたおかげで、アウトブレイクすることなく沈静化が図れました。そのときは、ひとり一人の力に感謝し、感染管理をする者としてのよろこびを実感しました。

その人に応じた対応を心掛けたい

また、私は副師長の役割も担っているわけですが、その部分では看護師として手本になる行動を示し、看護のよろこびを伝えていくことが必要だと思っています。看護師として印象に残っているのは、100歳を超えた方を看取った時のことです。その方のご家族は、最後の時まで患者さんに寄り添って献身的に支えておられました。患者さまが高齢になったり、入院が長引いたりするとご家族の負担も大きくなって家族関係が遠のいていくことも多いのですが、そのご家族を見ていると、私たち看護師がご家族をサポートして心を支え、患者さまとご家族の接着剤になることが必要だと考えさせられました。そんなことを、これからは後輩に伝えていくのが私の役割かもしれません。
また、看護の実践者として、感染管理に関わらず、対象となる人とコミュニケーションを密にして相手を理解し、その人に応じた看護を、そして教育・相談に関わるときもまた、対象となる職員をしっかり理解して、その人に応じた対応をすることが私の課題だと思います。それを常に心掛けながら、スタッフとともに、患者さまやご家族と職員全体の安全を守っていきたいと考えています。

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