当院では、平成23年度から3年に渡り働き続けられる職場づくりを目指してWLB(ワークライフバランス)推進事業を進めてまいりました。
事業開始にあたり、平成23年度に看護職員の現状調査を行い、明確になった5つの課題解決に取り組みましたので、その概要をご紹介します。
1.看護ケアに時間がとれるための体制づくり
2.時間外勤務を減らし、定時に終えるための検討
3.休暇に対するニーズへの対応
4.夜勤従事者の負担軽減
5.子育て支援制度以外の制度に対する認知度の改善
1、風通しのいい職場づくり
<取り組み内容>
・職場内意見交換会の実施(看護部・各部署それぞれでの意見交換会を開催)
・WLB委員会からの活動内容の周知(院内の掲示板(フィッシュボード)を利用し、活動内容を周知)
・レクリエーションの実施(バレーボール大会・卓球大会・ソフトバレーボール大会などの開催)
・フィッシュ哲学の推進(師長・副師長から、フィッシュ哲学に沿った、スタッフへの働きかけを行う)
<成果>
・職場内での上司との関係、同僚との関係が改善し、取り組みに対する結果が見えるようになった
・レクリエーションは、看護部内外の職員との交流において有効であった
・フィッシュボード゙の活用が継続されるようになった
2、時間外勤務削減
<取り組み内容>
・業務分担
各業務担当者の明確化と役割分担
看護補助者/他部門/他職種との役割分担を実施
・業務整理
業務内容の見直しによる業務のスリム化と時間帯による業務
の平均化を実施
・非常勤看護師の配置
・病棟看護師の各月ごとの時間外勤務の時間を示し、実績を評価
・前残業を減らすため情報収集のための時間を10分間確保し、朝礼を8時40分からとした
<成果>
・時間外勤務が減少した。
3、有給休暇の取得 10日/年
<取り組み内容>
・各部署で10日を取得するための計画を立案し、実践する。 途中2回、取得状況を報告し、部署以外の協力が必要かどうかを委員会で調整した
・各部署での有給休暇のとり方・取らせ方の調査を行い、各部署間で差が出ないよう配慮した
・管理者に対し、有給休暇に関する研修を行った
<成果>
・平成24年度・平成25年度ともに年間10日以上の有給休暇を取得できた
・個人差を解消することできた
・委員会にて、個人/部署ごとに取得状況を、職員へ提示したことにより、協力体制が取れた
4、夜勤従事者の負担軽減
<取り組み内容>
・業務分担
各業務担当者の明確化と役割分担
看護補助者/他部門/他職種との役割分担を実施
・業務整理
業務内容の見直しによる業務のスリム化
夜間入院時業務の見直し、カルテへの入力操作時間の見直し等
夜勤時間帯における業務の整理と昼間の時間帯への移動
・夜間看護補助者の配置
・夜間専従看護師の採用
<成果>
・1人当たりの夜勤回数が減少した
・夜間帯の休憩時間が確保しやすくなった
・準夜勤務における時間外数が減少した
5、子育て支援制度以外の制度に対する認知度の改善
<取り組み内容>
・就業規則・WLB支援策の周知
パンフレットの作成・配布
就業規則をいつでも確認できるよう、PC内に保存
就業規則・WLB支援策の説明会の実施
フィッシュボードにWLB支援策を中心とした制度の説明を掲示し、相談事務担当者を明記
<成果>
・看護職員が制度を利用して働いている
1.風通しの良い職場づくり
意見交換会・レクリエーション・フィッシュ哲学の継続
2.労働時間管理の強化
時間外勤務の削減 多職種協働による、業務分担の推進
仕事の効率化
3.有給休暇取得の強化
看護師の希望に沿った計画的付与
4.多様な勤務形態の導入
本推進事業によって、さまざまな成果がみられましたが、全員にとって平等であることよりも、それぞれの制限を認め合う職場風土に変化してきたことが最も大きな成果です。
今後も看護職員が働き続けられる職場づくりに力を入れていきたいと思っています。
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